
磯崎海人、川本太一、戸崎芳美、藤田紗衣「変化 / し / 続ける / 現在地」

【展覧会開催のお知らせ】
グループ展 : 「変化 / し / 続ける / 現在地」
アーティスト :
磯崎海人 @gmpw._ 川本太一 @taichi__kawamoto 戸崎芳美 @yo_chan_u 藤田紗衣 @saefujita
キュレーション : 磯崎海人 @gmpw._
会期:2025年7月12 (土) – 7月27月 (日)
開廊時間:平日 / 14:00 – 21:00 土・日・祝 / 12:00 – 19:00
休廊日:月・火
オープニングレセプション : 7月12 (土) 19 : 00 – 21 : 00
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【展覧会情報 / Exhibition Information】
私たちは<身体 – メディア>を通じて<世界 – 他者>と関係しているが、場所を移動すること、あるいは場所自体が作り変わることで、経験される外部との関係は多様に変化する。位置情報と地図情報はすぐに修正され、その都度内部 – 外部の関係も再構築される。自己と他者、内部と外部、その関係は”現在地”を都度更新する事によって再度規定されうるだろう。
身体は世界を構成する一部分であるが、その物質性を通じる事で、世界を経験する為の「メディア」にもなりうる。このような”世界内存在”でありながら、同時に世界から一定の距離を持っているという点において身体は両義性を持つ。「作品」も同様に自立した存在でありながら、世界を構成する一部分であるという点において、外部空間との関係によって規定され、置かれた状況との相応関係において立ち現れる存在だ。
本展示「変化 / し / 続ける / 現在地」は、多様に変化し動き続ける<世界 – 他者>と、その外側と内側の中で、都度異なる在り方を模索し続ける個人の存在を、<身体 – メディア>を通じて考察する展覧会である。藤田が制作する布状のセラミックとアスキーアート、川本が再構成し翻訳する構造物、戸崎の曖昧な記憶から描く朧げなイメージ、磯崎のキャンバスを場所とした地図作品、各作家の作品も<身体 – メディア>を通じて常に世界との関係を問い直しながら、主体自体の曖昧さや、その関係性の中でのズレや差異を肯定的に捉え、作品へと内包している。
内部と外部の関係は時間と共に、変化と共に徐々に失われるが、その様な変化は新たな関係性の構築と現在地を指し示すきっかけになるだろう。あらゆる記号が解体され、そして築かれる新たなる関係性に視座を向け、いかにして主体が立ち現れるのかを考察し、その関わり方を4名の作家の作品を通じて鑑賞する場としたい。
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藤田紗衣は1992年京都府生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻版画修了。ドローイングを起点に、シルクスクリーンやインクジェットプリントなどの印刷技術を用いて、描くこと自体を版によって再解釈し、描く行為から時間的・空間的に分けられたイメージを作る。主な個展に、「仮想ボディに風」(ザ・トライアングル、京都、2022)、「ハード/ソフト」(I SEE ALL、大阪、2021)(準備中、東京、2021)、グループ展に、「感性の遊び場」(ANB Tokyo、2022)、「惑星ザムザ」(小高製本工業株式会社跡地、東京、2022)、「VOCA展 2022」(上野の森美術館、東京)など。

戸崎は画像と絵画、夢と現実、都市と自然など、これらの比較から、我々の生活の一部となったデジタル化社会の中で生じる「対象の認識」に対する「知覚の拡張」と、知覚に生じる違和感(異質感)をテーマに、自身の身近に存在する「花」を写真に収め、デジタル加工を施し、絵画へと変換するというプロセスで、人間の表象や認識に対してのリサーチと研究を行ってきました。
戸崎の作品は、我々の記憶や表象、デジャヴなどの現象を、まさに”現像”することを試みています。
複製加工技術の発達と絵画の間を丁寧に紐解く作品群は、どこか我々の深い情動を呼び覚ます力を持っているのかもしれません。

武蔵野美術大学
大学院 油絵学科 美術専攻 版画コース 二年
生活の中で発見した形や規則をもとに独立した構造を持つ抽象形態を生成し、空間の
中に再配置することで、無機質かつ記号的な形態と有機的な物質との間に緩やかな関
係を構築する。

磯崎海人は1999年神奈川県生まれ。多摩美術大学美術学部日本画専攻卒業。複数の場所を横断することによる自身の” 同一性” や” 主体性” のブ レについて絵画や電光掲示板、地図などの記号を扱い思考している。